LDLコレステロールと遺伝の関係

LDLコレステロールと遺伝の関係

遺伝とコレステロールの関係

コレステロールが高い状態というのは血液内に存在するコレステロールが多いことを指します。
血中コレステロールが高いと血液に乗って流れるうちに血管の内壁に脂質がこびりつき、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞といった病気に繋がっていく可能性があります。

 

そしてコレステロールが高くなる原因は食事などの生活習慣だけでなく、遺伝も当てはまります。
正常な人の場合、LDLコレステロールは肝臓のLDL受容体の発現により、細胞に取り込まれるので、血中のコレステロール量は常に維持されています。
しかし、LDL受容体の発現がなかなか行われなかったり、発現してもその機能に異常があったり、LDL受容体が過剰に分解されたりすると、肝臓でLDLコレステロールを取り込む力が弱まります
こうなれば血中コレステロール量を減らすことができないので、必然的にコレステロールが高い状態になるのです。
そしてこのさまざまなLDLコレステロールの取り込み異常は遺伝によって起こる可能性があります。

 

もし遺伝的にコレステロールが高くなりやすいのであれば、それは正常な人よりもコレステロールの影響を受けやすいということなので、より対策を徹底していく必要があります。
もちろん逆のパターンで、遺伝的にコレステロールが高くなりにくい人の存在も考えられます。
コレステロールが高くなりにくいからといって生活習慣を乱していいわけではありませんが、コレステロールが関わる病気にかかるリスクは低いといっていいかもしれません。

 

家族性高コレステロール血症とは

上記のように遺伝的にコレステロールが高くなりやすい病気を「家族性高コレステロール血症」といいます。
この病気の遺伝子を片方の親から得ていると「ヘテロ接合体」、両親から得ていると「ホモ接合体」と呼ばれます。

 

家族性高コレステロール血症にかかっていると生まれた瞬間から血中LDLコレステロール量が増えていき、すぐに基準値を超すことも珍しくありません。
一般的にコレステロールは老化や生活習慣の影響を受けやすい中高年が気にするものですが、家族性高コレステロール血症の場合は若いうちから動脈硬化になることもあります。
そして家族性高コレステロール血症の人が年齢を重ねていけばさらにそのリスクは跳ね上がることになります。

 

この病気は遺伝によって起こるものですが、実はそれほど珍しいものではなく、日本にも数十万人の患者が存在しています。
また家族性高コレステロール血症は発見が難しい病気でもあります。
医師でも病気の存在自体知らない人が多いので、病院で検査しても発見できないケースは珍しくありません。

 

太っていなければコレステロールは高くないという話がありますが、この病気にかかっている場合は決して油断できません。
痩せている人、普段から運動をして筋肉質な人でも、家族性高コレステロール血症によってコレステロールが高く、動脈硬化が進行しているケースもあります。
そのため、太らないようにすることももちろん重要なのですが、自分が家族性高コレステロール血症でないかどうかを確認しておくことも大切です。

 

家族性高コレステロール血症の対策

対策についてですが、第一に「早期発見」があげられます。
病気を発見できないことには対策のしようもありません。
まだ年齢が若ければ健康診断で血中LDLコレステロールが高くないか、家族に動脈硬化や心臓病になった人がいないかを調べることで、自分が家族性高コレステロール血症の疑いがあるかどうかを判断することができます。

 

それから家族性高コレステロール血症にかかっている人は体のいたるところに「黄色いできもの」が出てくるようになります。
これはコレステロールが沈着したものなのですが、これが多く見られる場合は家族性高コレステロール血症を疑うことになります。

 

家族性高コレステロール血症だと診断された場合は治療を行っていくのですが、治療の基本は動脈硬化の発症・進行の「予防」です。
脂質の少ない食事に切り替えたり、禁煙したり、ダイエットをしたりして生活習慣を改善していきます。
この点は病気ではなく普通にコレステロールが高い人が行う対策と同じです。
特に家族性高コレステロール血症の人は子供の頃からコレステロールが高くなるので、できるだけ子供のうちから正しい生活習慣を身につけておくことが大切です。

 

ただし、家族性高コレステロール血症は簡単な病気ではないので、生活習慣を正すだけではコレステロールの数値が基準内にいかないこともあります。
その場合は主治医の指示にしたがって別の治療法を検討していくことになります。

 

また「ヘテロ接合体」の場合、治療の際、LDLコレステロール値の管理目標が設定されます。
この管理目標では100mg/dL未満のLDLコレステロール値を目指し、これに到達しなかったとしても50%以下の値になるように治療が行われます。